ロザリオの祈り

ロザリオの祈りは信者の聖務日課です。


 ロザリオは人類を救われるイエス・キリストのそばに尽くしておられる聖母マリアに心を合わせて祈ることです。ロザリオの祈りを通して救いの神秘をたたえます。ロザリオとはバラの花冠という意味でアヴェ・マリアの祈り(天使祝詞)を一輪のバラとみなし、信仰の奥義を黙想しながら霊的花束を聖母マリアにささげる祈りです。教会の母であり、わたしたち一人ひとりの心の母であるマリアさまにこのよろこびをささげるのは真の親子の親しみを深めることです。聖いロザリオによる聖母への信心は、今でも、またこののちも絶えることがないでしょう。すべての教皇もこの祈りを強くすすめておられます。また、ルルドと ファティマにご出現になった聖母もロザリオの祈りを唱えることをすすめられました。この古い習慣に新しい生命を吹き込むためにロザリオの祈りの重要さ、尊 さ、力強さをわきまえ、いきいきとした愛と信仰をもって毎日これを唱えるのは、信者生活の大きな支えとなり、励みとなります。

 ロザリオに伴う救いの黙想をととのえるために、喜び、光、苦しみ、栄えの四種類の神秘に分けていたします。普通、月・土曜日に喜びの神秘、木曜日に光の神秘、火・金曜日に苦しみの神秘、水・日曜日に栄えの神秘を黙想し唱えます。唱え方は、十字架のしるし、使徒信条、主の祈り、アヴェ・マリアの祈り、三回、栄唱、、ファティマの祈りで始まり、各黙想ごとに主の祈り、アヴェ・マリアの祈り十回、栄唱、ファティマの祈りを唱えます。唱え終わったら、サルヴェ・レジナを唱えます。

(サンパウロ「祈りの友」より抜粋)

救いの神秘

喜びの神秘(月・土曜日)

第一の黙想:お告げ(ルカ1章26~38節)

 マリアは大天使ガブリエルの受胎告知に、「わたしは主のはしため、おことばのとおりになりますように」と答え、聖霊によって御子受肉の神秘の実現を見る。

 この一連をささげて、神に対する信頼の心を強めていただくように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第二の黙想:ご訪問(ルカ1章39~47節)

 マリアは大天使から、親戚のエリザベトが神の恵みによって子を宿したことを知り、ユダの山地にエリザベトを訪問する。

 この一連をささげて、自分のことよりも、いつもよろこんで他人に奉仕する愛の心を深めることができるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第三の黙想:御降誕(ルカ2章1~7節)

 聖霊の力によってマリアに宿られた神の御ひとり子は、月満ちて、みどり子となってこの世に誕生し、ベツレヘムの馬小屋のまぐさ桶の中におかれる。

 この一連をささげて、神の御子が示した模範に習いこの世の富の執着から解放されるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第四の黙想:主の奉献(ルカ2章21~24節)

 イエスの誕生後、おきてに従って、マリアの清めと初子の奉献のため、マリアとヨセフは御子を抱いて神殿にのぼる。

 この一連をささげて、聖家族がモーセの律法の中に神のみ旨を見いだしたように、日々の出来事を通して示される神のみ旨を正しく見いだすことができるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第五の黙想:主の発見(ルカ2章41~51節)

 十二歳のイエスは、両親から離れてひとり神殿に残られた。マリアとヨセフは御子を探し求めて三日目に、神殿の中におられるのを見いだす。

 この一連をささげて、真の幸せはイエスとともにしかいないことを悟る恵みを得ることができるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

(サンパウロ「祈りの友」より抜粋)

苦しみの神秘(火・金曜日)

第一の黙想:ゲッセマネでの憂い(ルカ22章39~46節)

 ゲッセマネの園でイエスは、迫り来る受難の前に血の汗を流すほどに苦しむが、あくまで父のみ旨の成就を祈る。

 この一連をささげて、イエスのみ心をこれほどまでに苦しめたわたしたちの罪の深さを悟ることができるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第二の黙想:むち打ち(ヨハネ19章2~3節)

 イエスはポンティオ・ピラトの宮廷で残酷に鞭打たれたが、人々の救いのために、黙々と耐え忍ぶ。

 この一連をささげて、わたしたちが受けねばならない苦しみを、罪の償いとして、ささげる勇気が与えられるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第三の黙想:いばらの冠(ヨハネ10章1節)

 兵士たちは、イエスをあざ笑っていばらの冠を、おしかぶせた。イエスは終始黙々として、この恐ろしい侮辱に耐える。

 この一連をささげて、信仰のためには人々からの侮辱を恐れない勇気が得られるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第四の黙想:十字架の道(マルコ15章20~27節)

 イエスは自ら十字架を担ってゴルゴタを目ざして歩み行く。

 この一連をささげて、わたしたちの日々の十字架を、イエスとともに担う力が与えられるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第五の黙想:ご死去(マルコ15章33~38節)

 イエスは、わたしたちの罪のために、ご自分のいのちを御父にささげる。

 この一連をささげて、わたしたちのために死んでくださったイエスのいけにえが、わたしたちにとって無駄にならず、救いの恵みに与かるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

(サンパウロ「祈りの友」より抜粋)

光の神秘(木曜日)

第一の黙想:イエス、ヨルダン川で洗礼を受ける

 イエスがヨルダン川で洗礼を受けられると、聖霊がくだり、「あなたはわたしの愛する子」という御父の声が聞こえました。

 この一連をささげて、洗礼の恵みを神に感謝し、聖霊に導かれて、神の子として生きることができるよう聖母マリアの取り次ぎによって願いましょう。

第二の黙想:イエス、カナの婚礼で最初のしるしを行う

 イエスは、母マリアのとりなしに応え、カナの婚礼で、水をぶどう酒に変えて、弟子たちの信じる心を開いてくださいました。

 この一連をささげて、イエスへの信仰を深めることができるよう聖母の取り次ぎによって願いましょう。

第三の黙想:イエス、神の国の到来を告げ、人々を回心に招く

 イエスは、神の国の到来を告げ、人々を回心に招き、神のいつくしみを現してくだしました。

 この一連をささげて、イエスの招きに応え、心から悔い改めて、福音を信じることができるよう聖母の取り次ぎによって願いましょう。

第四の黙想:イエス、タボル山で栄光の姿を現す

 イエスは、タボル山で三人の弟子たちに栄光の姿を現し、困難を乗り越える希望の光を示してくださいました。

この一連をささげて、主の変容を心に刻み、イエスに聞き従うことができるよう聖母の取り次ぎによって願いましょう。

第五の黙想:イエス、最後の晩さんで聖体の秘跡を制定する

 イエスは、最後の晩さんで、救いのいけにえ、永遠のいのちの糧として、パンとぶどう酒を用いて聖体の秘跡を定め、人類に対する愛の記念を残してくださいました。

 この一連をささげて、すべてを与えつくされたイエスの愛に日々ならうことができるよう聖母のとりつぎによって願いましょう。

(サンパウロ「祈りの友」より抜粋)

栄えの神秘(水・日曜日)

第一の黙想:ご復活(マルコ16章1~7節)

 イエスは死に打ち勝って復活し、わたしたちのために永遠の生命への道を開く。

 この一連をささげて、わたしたちが、イエスの死にあやかることによって、その復活にもあやかることができるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第二の黙想:ご昇天(使徒言行録1章6~11節)

 復活した主は、四十日目に弟子たちの前で天に昇り、父の右の座に着く。

 この一連をささげて、わたしたちが、この世において神の国につらなるものとして生きることができるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第三の黙想:聖霊降臨(使徒言行録2章1~4、32~41節)

 主の昇天後十日目、祈っていた使徒たちの上に、約束された聖霊がくだって、使徒たちを照らし、力づける。

 この一連をささげて、弱いわたしたちが聖霊によって力づけられ、キリストの証人となることができるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第四の黙想:マリアの被昇天(ルカ1章48節)

 神は、御ひとり子の母マリアをこの地上に棄ておかず、そのからだを霊とともに、ご自分のもとに引き上げる。

 この一連をささげて、わたしたちも、母マリアのように、この世のいのちを全うして、天に迎えられるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

第五の黙想:天の元后、マリア(黙示録12章1節)

 天にあげられた母マリアを、神は天使と人類との元后として立てる。

 この一連をささげて、わたしたちの母マリアに対して、子としての愛と尊敬を深め、ますますマリアに似た者となることができるように、聖母マリアの取り次ぎを求めましょう。

(サンパウロ「祈りの友」より抜粋)

 

 

 

「この夫人は、あなたの母です。」

ヨハネ19章27節